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部門業績賞: 藤田 喜久雄(大阪大学) |
この度,図らずも,部門業績賞を戴き,大変光栄に存じます.関係の皆様に厚く御礼申し上げます.設計工学に関わり始めたのは,大学院の学生時代,とある事情で修士課程の2年次になって赤木新介先生の研究室に籍を移した時のこととなります.しばらく,先生と議論を重ねていくうちに,設計をテーマにしようということになり,知識情報処理による設計支援についての課題に取り組み始めて以来,もう,20年になります.大学に職を得た後には最適設計へも関心を広げました.また,1995年から1996年にかけて,スタンフォード大学の石井浩介先生の研究室に滞在させていただく機会を得ましたが,今から,振り返ってみますと,製品系列の統合化設計,最適化のための関数近似法,設計方法論についての研究,プロジェクト型設計教育の実施など,このところの仕事には当時の着想や体験を出発点としているものが多いように思います.いずれにしましても,私が行ってきた仕事は周囲の方々からの様々な刺激によるものであり,今回の受賞は皆様方との交流によるものと,深く感謝いたしております.博士課程の学生になった時点を起点として40年間は研究が行えるとすれば,まだ,ちょうど,折り返し点にたどり着いたところですので,今後とも,設計工学における新たな課題に挑んでいきたいと考えております.ご指導,ご鞭撻のほど,なにとぞ,よろしくお願い申し上げます.
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